ナンパ男との恋~最終章~
その人が帰ってからの輝樹は

少し不機嫌そうな表情で

不機嫌になりたいのは私なんだけどなぁ・・なんて思いつつ

広樹と春樹を寝かしつけ

リビングに行くと、ソファーの上であぐらをかき座っている輝樹の隣に腰を下ろした。


こうして、ここに座っているという事は
輝樹が私に何か言いたい事がある時だ。



数十分、テレビだけの音声が響き続け

ようやく、輝樹が口を開いた。



「・・・悪かったな」


その一言で
何だか、輝樹の考えてた事が
少しだけ分かったような気がした。



「どうせ、どんな頼みでも
引き受ける気だったんでしょ?」


「んなわけねぇだろ。
春菜が嫌がる事は
誰の頼みであろうと
聞く気ねぇし?」


うれしい言葉なのだけど・・・


「私が、なかなか断れない性格だって知ってるからこそ
私に話を振るわけでしょ?」


「はははは、なわけねぇだろ」



笑って誤魔化してる気するんだけど。


まぁ・・・いいけどさ。


輝樹の事だ。たぶん

助けたい相手じゃなければ

私に話を託す事なんてしないはずだし

助けたい思いと、私の気持ちを両方考えてしまった結果なんだろうな・・・



・・・・たぶん。
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