ナンパ男との恋~最終章~
隙を見て
1組の春樹のクラスに行くと

廊下で世間話をしている3人のお母さん集団に
睨まれている気がするけれど
それは、
気のせいだと思う事にしよう。



春樹を見つけ
じっと観察していると
隣の女の子と相談しながら
何やらノートに書き写している姿は
広樹とは間逆で
真剣そのものだ。


「ほら、あの人よ。
やっぱり若いと
子供の教育もできないのね。」


「そういえば、入学式も
父親来てなかったけど
もしかして片親かしら?」


「そうかもよ。
だから乱暴な子になるのよ」



わざと聞こえるように
私に向かって3人の方々が話してるけれど・・・



何なんだ、一体。



「あ、田中さん。
先日はどうも」


「3人揃って
何話してたの?」


この声は・・・・
キツネのように釣り上がった目の
入学式事件の親だ。


なるほど・・・・

この3人とは仲良しさんなわけね。

「ちょっと非常識な親の話を・・・」


「あぁ・・・あの方ね」


その言葉に思わず振り向いてしまう自分は
何て条件反射なんだろう。

ほらね、バッチリ

3人プラス入学式事件の母親で
私を集中して見ているじゃないか。




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