地上182センチメートルを、キミと。
弁当を食べ終え、小春と一緒に教室に戻る。
席に着くと、繭に話かけられた。
「比呂はもう志望大学決まってるんだよね?? 小春は?? ドコ狙ってるの?? なりたい職業とかあるの??」
ウチのクラスの進路面談は席順で、今日はオレ⇒オレの隣の席の繭⇒繭の前の席の小春の順番で行う。
オレは数学教師を目指して教育学部に行く予定。
繭は服飾専門学校。
・・・・・・・・小春は??
「・・・・・・・ワタシは・・・・・・まだ・・・・・・・」
『どうしよう』と溜息混じりに俯く小春。
オイオイオイオイ。 さすがにマズイだろ。
小春の成績ならドコにでも推薦で行けるだろうけど、未だに決まってないって遅すぎだろ。
「じゃあ、福祉関係は?? 介護とかさ。 お年寄りを抱きかかえたりするの、小春の体格活かせるんじゃない??」
繭が小春に提案した福祉の仕事は、立派だし尊敬すべき職業だと思う。 でも
『小春の体格を活かして』
小春は身長が高いだけで痩せっぽちだ。
繭にそんなつもりはないのカモしれないが、小春の身長をバカにしているように聞こえてしまう。
なのに
「・・・・・・・うん。 イイカモ。 福祉系の大学、今日相談してみるよ」
小春は繭の提案に乗った。
小春がいいならそれでいいと思うけど
小春は本当に福祉をやりたいと思っているの??