地上182センチメートルを、キミと。
「ねぇねぇ、イイでしょ?? ちゃんとメイク落としも持ってくるから。 気に入らなかったらスグ落としてイイからさ」
大志くんが、お菓子を強請る子どもの様に、ワタシの制服の袖を掴んでは左右に揺すった。
・・・・・・・・・ワタシがまた保育士になろうと思えたのは、香川くんだけじゃなく大志くんのお陰でもあるしなぁ。
・・・・・・・・・そんな大志くんの夢のお手伝いをしないとか・・・・・・人としてダメだよなぁ・・・・・・。
「・・・・・・・うん。 イイよ」
メイクするのは放課後だし、メイク落としも持って来てくれるって言ったし、やってもらおう。
それに、大志くんがどんなメイクをしてくれるのか、興味もあるし。
「やった。 明日、頑張る」
ニッコリ笑う大志くんの頭を撫でながら
「お手並み拝見」
と香川くんも笑った。