どんなことも二人で乗り越えて
家に着き、一枚の写真を眺める
『ヤクザなんて…名ばかり』
一人一人、満面の笑みで写真に写っている。私がクリスマスパーティをやったときの写真だ
私は世間一般の風評が許せない、だがそれ以上に…
その風評の元となった極道の法外な行動、血迷った暴力団が許せない…

でも所詮は私も…

そんなことを考えているとき、一本の電話が自宅に掛かってきた
『もしもし…神崎ですが』
「へー、いい声してんじゃん」
『誰だあんた…』
「あんたのお父さんに雇われてねー?明日あんたのいってる学校に遊びに行くよ」
『父はな…もう私の身内なんかじゃない!』
「組を…捨てたから?」

『それだけじゃない…』
「ん?」
『父…あいつはな…人の心を壊すことしかできない』

そう言うとただ笑うだけの電話相手
「壊す…?あんたこそ、お友達の夢壊してんだよ?」
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