どんなことも二人で乗り越えて
「大丈夫ですよ、あいつがボコすのは全部悪人ですから。…ああ、教室ですよ」

神崎、ねえ…

席が一番後ろの俺は気怠いホームルームを適当に受けながら俺は視線を泳がす…神崎って何処だっけ?
あ、あそこだ。黒く奇麗に伸ばされた髪にシワ一つないブレザー、背筋はピンとはっていて目線は恐らく一直線に速見に向けている。何も知らずに見れば優等生に他ならないと思う

ていうか俺は別にあいつをそこまで悪い奴とは思えない…って関わりたくないとか言った後に吐くセリフじゃないだろうけど

さっき速見に言ったけど…神崎が殴るのはどれもいじめっ子やら横暴なヤンキーで、そのうえいきなり殴るんじゃなくて数回の忠告をして全て無視されたら仕方なく、といった感じらしい。
じゃあ何故あそこまで恐れられるのか?…正直俺には分からないし、一生知らない方がいい気がする。
そんなことをぼんやりと考えてるうちにホームルームは終わり号令がかかる
尚人でも誘って帰るかな、

「神崎さんっ!」
え、この声って…尚人だよな?…何考えてんだあいつ。
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