ヴァージン=ロード
「いったい何年の付き合いだと思ってるのよ。今まであんた、私が結婚しなさいって言ったら、凄く困ったような、嫌そうな顔しかしてなかったわよ」
「そう、だっけ……」
確かに心の中ではそんなふうに感じていたけど、まさかそこまで顔に出ているとは思っていなかった。
「前のブラコレのときもそう、あんた、ウェディングドレス着て、すっごい堅い顔してたわよ」
「……それは自覚してた」
「でも今は違う」
夢乃が意味ありげに私を見つめる。
「何よ」
「白木さんのおかげかしら?」
私は肩をすくめた。
「もう、本当にすぐに人をくっつけたがるんだから」
「そりゃあ、長年男のいなかったあんたに、やっと虫がついたんだもの。そりゃあ面白いわよ」
「虫って……」
夢乃のにやにや笑いに、こっちが恥ずかしくなる。ののちゃんは私達の会話の意味が半分も分からず、きょとんとしていた。
「まま、むしってなぁに?」
「んー、ののでいう、リノ君のことよ」
「りのくん? りのくんがむしなの?」
夢乃の冗談を真に受けたののちゃんが大混乱を起こすのを、悪い母親が笑っている。