ヴァージン=ロード

「うん、ちょっとね、私が怒らせちゃったの」
「まま、おこっちゃだーめっ!」
「あー、もう、はいはい、ののは優しいわねぇ!」

 ののちゃんが仁王立ちになって、夢乃を諭す姿が可愛くて、思わず笑ってしまう。夢乃も、怒りがどこかへいってしまったのか、笑っていた。

「いいなぁ、本当に可愛い」

 私がののちゃんをみて呟くと、夢乃が呆れたように言った。

「だから結婚すれば、伊咲にも可愛い子供が生まれるわけよ」
「……そうね」

 私だって、子供が欲しい。そう考えると、やっぱり結婚も考えなくてはいけないんだろう。

「あら?」

 夢乃が面白そうに私を見た。

「どうしたの?」
「伊咲、あんた……ちょっとは前向きになってるのね」
「え?」

 ののちゃんを膝に乗せて笑っている夢乃の言葉の意味が分からず、私は首をかしげた。

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