ヴァージン=ロード






 鬼気迫っている――その時の私を表現した言葉だ。

 尋常じゃない集中力と、いつにも増して激しい闘志にも似た激情がファインダー越しに見えると、河島さんが苦笑していた。

「えっらい気迫だな、ISAKI」

 撮影が一緒だったリキが、苦笑しながら声をかけてきた。

「いつもと変わらないわよ」
「そうか? そうは見えねぇけど」

 私は口を尖らせる。

「あー、あれか。良との熱愛報道か」
「言わないで、二度と、そのことは」

 リキの胸ぐらをつかんで凄む私に、リキが両手をあげて降参の仕草をする。

「思いっきり気にしてんじゃないか」
「……うるさい」

 私はリキを解放した。
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