ヴァージン=ロード






 家に帰ってシャワーを浴びた後、ベッドにくずおれるように飛び込んだ。

 あの日から、宗広さんと喧嘩別れした日から、気づけば結構な日数が経っていた。私はただただ仕事に没頭していたように思える。

 胸の奥で、何かが不完全燃焼を起こしている。
 それが私の心を重たくしていた。

 ふと、リキとの会話を思い出した私は、夢乃に電話をかけた。数秒の呼び出し音の後、夢乃が出た。

「もしもし?」
『もしもーし』

 夢乃の、なんだか間延びした声が聞こえる。

「今、電話大丈夫?」
『うん、どうしたー?』

 私は寝返りを打って、仰向けになる。

「今日、リキと撮影が一緒だったのよ。で、夢乃にありがとうって伝えてほしいって」
『ええ!? なんでー!?』

 夢乃の驚いた声がきーんと響く。
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