ヴァージン=ロード

「ようこそ、ラヴィンユへ」

 私達を出迎えてくれたのは、髪の毛をきれいにまとめているスーツ姿の女性だ。宗広さんと同世代くらいだろうか。
 彼女を見た瞬間、宗広さんが破顔した。

「総支配人を務めております、神坂凜(かんざか りん)です。本日は皆様のご案内を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします」

 姿勢を正して深々とお辞儀をする姿が非常に様になっていて、私達も慌ててお辞儀する。それを子供達も真似していた。

「初めまして、前原夢乃です」
「ののです」

 夢乃が先だって自己紹介する。母親に合わせて、ののちゃんもきちんと頭を下げて名乗った。それに続いて全員が挨拶した。

「皆様、ご丁寧にありがとうございます。長旅でお疲れかと思いますので、まずはお部屋へとご案内いたします」

 そう言って神坂さんに続いて私達は部屋へと向かった。すると宗広さんが神坂さんの隣に進み出た。

「ご無沙汰しています、凜さん」

 それに対して、神坂さんも笑顔で応える。

「久しぶりね、むー君」
「むー君はやめてくださいよ、僕、もう36ですよ?」

 宗広さんがたじたじといった様子で言うと、神坂さんは笑って続けた。
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