ヴァージン=ロード
「あら、いくつになっても、むー君はむー君よ」
親しそうに言葉を交わす二人に、私達は顔を見合わせた。どうやら、旧知の間柄――それもとても親密な関係らしい。
そうしているうち、さほど歩かずに宿泊棟に着いた。真っ直ぐな廊下に、部屋が並んでいる様はホテルさながらだ。異なるのは、その雰囲気が中世の城を思い起こさせるようなデザインをしていることだ。こんなところにも宗広さんのこだわりが見て取れて、感動する。
部屋割りは、夢乃とののちゃん、カノンさん達家族が大部屋を使って、私と宗広さんはそれぞれ一人部屋とのことだった。
「4部屋も使ってしまって大丈夫ですか?」
「大丈夫です。誰かさんが盛大に作ってくれたおかげで、お部屋のストックはたくさんあるんですよ」
神坂さんが笑って、横目で宗広さんを見る。宗広さんは何も言わずに肩をすくめるジェスチャーをした。
「お二人は親しいんですか?」
ベッドに飛び乗ってはしゃぐののちゃんを窘めながら、夢乃が訊ねた。
「あら、言ってなかったの?」
「なかなか言い出せなかったんですよ」
「実は、私はこの子の叔母なんです。皆様、このたびは甥の我が侭に付き合ってくださって、本当に感謝しています。この子の親に代わって御礼申し上げます」
叔母、という言葉にその場にいた全員が固まった。
「え、叔母様……?」
「嘘だろ?」
荷物を置いてアリスちゃんを抱っこしたカノンさんが呆然とつぶやく。隣でリキもリノ君の手を繋ぎながら唖然としていた。