ヴァージン=ロード
夢乃の機嫌は、マックスに悪かったと言える。
「あー、夢乃?」
「じれったい」
「いや、あの、あのね?」
「うるさい」
とりつくしまもない。
何故こんなに夢乃が不機嫌かというと、私と宗広さんの話を聞いたからだ。
「あの男、さっさと伊咲をものにすればいいものを……」
「ちょっと、そういうんじゃないって」
「そういうんじゃないわけがないじゃない」
今日は、夢乃の家に来ていた。ののちゃんはお昼寝中で、起きたら遊ぼうと思っていた。
宗広さんとのことを黙っていると後が怖いので話をしたんだけれど、それはそれで夢乃の機嫌を悪くした。
「せっかく伊咲といい感じになりそうな男が出てきたと思ったら、なんでこんなに手間取ってんのよ」
「ほら、そんなに大きな声をだすとののちゃん起きちゃうよ」
「うっさい!」
夢乃の剣幕に、私は思わず肩をすくめた。そんな私の様子に、夢乃はため息をついた。