RealGameー恐怖は終わらないー
震える声で話しかけ、目を開けてくれと懇願する。


しかし、芹香はいつまで待っても目を開けてはくれなかった。


そのうち病院の人間が異変に気が付き、俺は芹香と引き離された。


「芹香!! 芹香!!」


必死で叫び、運ばれていく芹香の後を追う。


俺の手や服は芹香の血で汚れていて、その血はまだ暖かくて、俺は自分の体を芹香の血ごと抱きしめた。


「芹香……」


呟く声は風に流され、そして消えた……。
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