まだ知らない愛。
「いいから、取ってこい」
訳がわからないまま家の中に入ると玄関には大きなバックが置かれていて、中を見ると衣類や洗面道具などが入っていた。
そのバックを持って外に出ると車にもたれかかっている瞬さん。
「お前の親と話はついてる」
「どういう…」
「今日からお前が毎日帰る場所は俺の家だ」
今思えば瞬さんの家に帰るのが当たり前のようになっていたけど、しばらくの間ということを忘れていた。
「お前が帰る場所はここじゃねぇ」
それは、私と親の縁が切れたことを表す。
「お前が縛られ続けてきたこの家に戻るか、俺の家に来るか、どっちだ?」
微かに笑う瞬さんが聞いてくる。
さっきまでの悲しみと苦しみはいつの間にか消えていて単純な私は
「…瞬さんの家」
と呟いていた。
15年間私が生まれてきてはいけない存在として生きてきた家。
15年の荷物はこれだけなんだと思うと少しだけ寂しくなった。
改めて私に確かな居場所を与えてくれた瞬さんはどこまでも優しく、これほど私を想ってくれる瞬さんを信じないなんて私はどうかしてると思う。
訳がわからないまま家の中に入ると玄関には大きなバックが置かれていて、中を見ると衣類や洗面道具などが入っていた。
そのバックを持って外に出ると車にもたれかかっている瞬さん。
「お前の親と話はついてる」
「どういう…」
「今日からお前が毎日帰る場所は俺の家だ」
今思えば瞬さんの家に帰るのが当たり前のようになっていたけど、しばらくの間ということを忘れていた。
「お前が帰る場所はここじゃねぇ」
それは、私と親の縁が切れたことを表す。
「お前が縛られ続けてきたこの家に戻るか、俺の家に来るか、どっちだ?」
微かに笑う瞬さんが聞いてくる。
さっきまでの悲しみと苦しみはいつの間にか消えていて単純な私は
「…瞬さんの家」
と呟いていた。
15年間私が生まれてきてはいけない存在として生きてきた家。
15年の荷物はこれだけなんだと思うと少しだけ寂しくなった。
改めて私に確かな居場所を与えてくれた瞬さんはどこまでも優しく、これほど私を想ってくれる瞬さんを信じないなんて私はどうかしてると思う。