まだ知らない愛。
瞬さんは私を強く抱きしめて声を震わせながらそっと呟く。
「ありがとう…」
初めて見た瞬さんの涙。
ありがとうと言って流す涙は暖かく、私の肩を濡らす。
堪えきれずに私も泣いていた。

激しく揺れるベッドも
漏れる甘い声と甘い吐息も
歪む顔も握り締めた手も。
全てが愛おしい。
瞬さんに深く強く抱かれながら私は泣いていた。
月明かりに照らされた瞬さんの顔を見つめながら出会った頃を思い出して。
私が涙を流す時にはいつもいてくれた瞬さん。
たくさんの初めてをくれた瞬さん。
倒れてくる瞬さんの体を強く抱きしめて、
改めて思う。
瞬さんが好きだと―…。
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