まだ知らない愛。
溜まり場までの道のりは大樹さんによって
明るい雰囲気だった。

きっと気をつかってる…。
ごめんね、大樹さん。

みんなに申し訳ない気持ちと
バレたくない一心で私は笑っていた。

溜まり場に着くとみんな私に驚く様子もなく
「おかえりなさい!」
と元気に声をかけてくれた。
こんな私におかえりと言ってくれる…。
私も小さい声だけど
「ただいま」
って言った。



「桜」
「…はい」
部屋に入るなり瞬さんに声をかけられた私は
瞬さんの元へ行った。
「座れ」
なんで瞬さんはいつも単語で喋るんだろう?
ベラベラ喋るとこ見たことない…。


なんて疑問は言えるはずもなく素直に従った。
隣にあぐらで座る瞬さん。
「お前」
なんだろう、この空気…
みんな居るのにシーンとしてて怖い。

まさか…


「腹へったか?」
「ふぇ?」
「腹へったか?って聞いてんだ」

はい?
予想外な言葉に変な返事をしてしまった
私をよそにもう一度言う瞬さん。
え?あぁ、お腹すいたかって?
なんで急に?
きっと今の私の顔は目が点になってる…。


「おい、なに変な顔してんだよ」
「な…ッ!」

ひどい!
…いや、私の顔がひどいの?
やっぱり変な顔になってたんだ!!!!
「瞬さんのせいだよ!」

そうだよ、目が点になったのは
瞬さんが真剣な顔して予想外な言葉を言うからだ!
「なんで俺のせいなんだよ?」
「…」
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