SPRING ★ SPRING ★ SPRING
「自転車って自分でこぐのは難しいのか?」


好奇心に満ちたすごくバネらしい言葉に
思わず口元がゆるむ。


「練習すれば誰にでも乗れるよ。
乗りたくなったのか?」


「うんっ!」


俺が答えるとそくざに勢いよくうなずいたバネの頭が
俺の背中に頭突きをかました。


「痛てえよ、バカ。」


「うお、悪いな渋沢。
でも私はバカじゃなくてバネだ。」


「はいはい、バカだよな?」


「違う、バネだ。
二文字の単語も間違えるようでは、やっぱり渋沢は頭が弱いのだな。」


「俺はバカじゃねえよ。
それになあ、、頭がどうのを心配するならバネがだんとつ一番だろ。」


「私の頭が変だと言いたいのか?
この髪型はなかなか気にいっているから、他人にとよかく言われたくはないのだが。」


「って、髪型の話しじゃねえよ。
この、バーカ。」


「だからバカじゃなくてバネだ。」


「しつこいぞ、バネ。」


「根気があると言え。」


こんなやりとりをしている内にいつのまにか校門をくぐっていて
二人乗りしたまま笑いながら大声で言い争う俺たちは
あっと言う間に登校してきたばかりの寝ぼけ眼の生徒や教師の注目の的になっていた。
< 24 / 52 >

この作品をシェア

pagetop