生涯の人… 〜Dearest〜
純白なウエディングからがらっと衣装もメイクも変えて…。
「アン出来た?」
「ちょっと待って!!」
「もう時間いっぱいだから…」
「ダメッ!!この羽つけなきゃ意味がない!」
真琴の目元には茶色のファーがついてるつけまつげをつけた。
そうでなくても大きい瞳がさらに強調されてる。
普段こんなメイク出来ないからね…。
これぞショーのメイクって感じ。
「いいよ、真琴目開けて…」
メイクが終わってから2枚重ねになってる衣裳を引っ張った。
客席からたくさんの歓声と指笛の音。
体中の血液が逆流して鳥肌が立った。
こんなに最高の気分は初めて……。
こんなに感動した事ない…。
詩衣と舞台袖へ掃けたら入れ代わりで入る男性モデルがスタンバイしてた。
「盛り上がり最高潮ー!頑張ってね!」
テンションが上がりっぱなしの詩衣がぴょこぴょこジャンプしてる。
だって…、想像よりも凄い。
自分達が作り上げたステージが目の前で完成していくんだもん。
「…ん…ッ…」
「バーカ……まだ泣くのは早ぇーよ………ちゃんと見ろよ、俺達の最高の舞台」
何で泣きそうになったのわかったの…?
遥に頭をぐちゃぐちゃにされて顔だけステージに向かされた。
頭に手を置かれて…、涙がピタッて引いていく。
頑張ってくれてるモデルを見つめたら還奈さんと真琴は堂々とした態度で…。
すごく…、すごく楽しそうに笑ってた。