生涯の人… 〜Dearest〜
遥は…、今日も地元で笑ってるのかな…?
大好きな友達と、楽しく過ごしてますか?
会いたい……。
すっごく会いたいよ。
でも…寂しくないから。
全然って言ったら嘘になるけど、きっと遥は笑ってると思うから…。
地元の友達の話をする時は本当に嬉しそうだもんね。
友達が大好きなんだって言うのが伝わってくるよ。
杏奈の事を誰かに話す時は…、どんな顔してるの…?
遥のそんな所、見てみたいな。
「やばいよ、カウントダウンまであと1分!!えっ、どうする?する?する?」
携帯の時報を聞きながら南が叫んだ。
南の携帯をマイクに近付けたら機械的な音声が流れてカウントダウンが始まってる。
ふと…思い返したら、この1年は杏奈にとって何倍も濃いものだった。
専門学校に入学した頃、辞めたくて辛かった時。
とても…、大切な親友が救ってくれた事。
信頼出来る仲間が出来た事。
遥……、貴方に逢えたよ。
頭の中を駆け巡る毎日がかけがえのない出来事だったんだなーって今さらになって実感。
「ちょっとウケるよね?なんか笑えるー!!」
笑い上戸の詩衣の言葉に皆で吹き出した。
この光景が何だか可笑しくて、4人で顔を合わせて笑っちゃったよ。
ポーンって音が鳴って日にちが変わったのを知らせる。
「あけましたー!!」
「おめでとう!」
「はい、あけおめ!!」
「明けたー!」
絶対うるさいって思われてる。
それでもいい……、構わないと思った。
だって、杏奈こんなに楽しい新年初めてだよ。
友達が居てよかったって本当に思える…。
ありがとう…。皆ありがとう…。