同居相手は黒猫くん
「じゃ、じゃあなんでキスなんか……」
「比乃とはキスできるから」
……??
ど、どういう意味?
首を傾げる私に、刹はわざとらしく大きく溜息をついた。
「確かにさっきは比乃に男の野蛮さ伝えるって意味でキスしたけど」
言いながら刹は私の腰にするりと手を回して。
「……ほんとはずっとキスしたくてたまらなかった」
体がほぼ密着した形で刹は言った。
そんな状況と言葉に、私の頭と体は恥ずかしさで悲鳴を上げそうになる。
「……ち、ちかぃ…」
「キスするよ」
私の返事を待たずして、刹は再び私と唇を重ねたのだ。
「……ま、なーーんて。
比乃の可愛い反応が見たくてやってみたけど」
突然、さっきまでとガラッと雰囲気が変わる刹。
「比乃可愛過ぎ。俺こんなくっさい台詞普段吐かないけど、たまにならまたやろっかな」
……私はどうやら、どこまでも騙されやすい性格みたいです。