同居相手は黒猫くん




「……ふーん」



みっちゃんは不満あり気に刹を見る。


佐久間くんが私を見て、苦笑いをした。




「柴咲、それって提出するの?」


「…え?」





佐久間くんは私からプリントを取って、いつもの調子で聞いてきた。


なんだか気を遣わせている気がした。




「あ、うん。来週の月曜日に会議あるから、それまでにって…」


「じゃあ手伝う」





ニッコリと笑う佐久間くんを見て、なぜか少し落ち着いた。



刹はもう何も言ってこなかった。




……刹は何考えてるんだろ。



私は刹のこと……好きじゃないし、


刹も私のこと好きじゃない。



ただそれだけなのに。



何か違う気がする。





< 93 / 283 >

この作品をシェア

pagetop