俺のこと、好きになってみよ?
「いらっしゃいませー」
やっと普通のお客さんが来てくれたのかと思ったら。
ドアを丁寧に閉めて、こちらを振り返り、ぺこりと礼をしたのは
「どうも」
なんと、スーパーであの日会った、九條さんのいとこさんだった。
「…あっ…っと、てるくんでしたっけ。来てくれたんですか」
さっき九條さんが出ていったとこなのに。すれ違わなかったのかな?
まぁどうでもいいことはアレとして、不自然な笑顔だったと思うけど、一応笑ってみせる。
「ええ、ちょうど私服にあわせる小物欲しかったので」
「そうですか、それは嬉しいです」
横から嘉代さんが「誰?」と聞いてきたので、小声で「九條さんのいとこさん」と返しておいた。