シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
「じゃあ、いいよ……。梨江子には、断るから……」


本当は、断りたくない。行きたいよ、スキー旅行に。


でも、けいちゃんの言葉は絶対だから……。


けいちゃんが、ダメと言ったらダメ。働いてないわたしは、なにも言えないんだ。


けいちゃんの浮気の件、リフレッシュ出来ると思ったんだけど、現実はそう甘くはないよね。


「おやすみなさい……」


もう、いいや。梨江子には、明日断ろ。今、メールや電話したくないし。


「彩月」
「なぁに、もうわたしスキーの話しないから大丈夫だよ」
「そうじゃなくて」


けいちゃんが、わたしを呼んだ。でもハッキリ言って今はなにも話したくないんだ。


できれば、お顔も拝見したくないくらい。


「そんなに、スキー旅行に行きたいのか?」
「え……?」


でも、けいちゃんの言葉は意外なモノだった。


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