大キライ。







「わかっただろ、栞だってお前の相手なんかしたくねんだよ」





それは彼女の本意ではない




そうとわかっていても




聖の言葉は、きつく、固く、俺の心を縛りつける




もうダメかもと



思ってしまう



それでも




決めたんだ




君を振り向かせるまで諦めないと



必ず君を




救ってみせる




俺が諦めたらここで終わり



もう君も一生、救われないかもしれない




ふと




唯と目が合った





少しだけ




笑った




ああ




わかってるよ




諦める





わけねえだろ





「瑞穂」




呼ばれて彼女は、一瞬肩を上げて




だけどもう




俺の方を見てもくれない





だけどさ




なんで今こう思うのかわからないけど




必死に俺に応えまいとする君が




震えて檻にすがる君が



愛しく




思う




俺が




出してあげるから





「また来るから」




怖がらなくていいんだよ





君の気持ちがしっかり溶けてからでいい




俺はいつでも



何度でも




どんなに拒否されて



たとえ傷ついても





「明日も、来るから」









< 23 / 26 >

この作品をシェア

pagetop