大キライ。








「栞!行くよー」




唯ちゃんにそう呼ばれて、あたしは急いで二人の元に駆け寄る



「ほんと栞はどんくせーなー。ちゃんと俺らについて来ねーと酷い目にあうぞ」



そう聖くんに言われて、コクッと頷いた




普通の子なら、一人でいて酷い目にあう、なんてことないだろう



でも私は一人になると



まず男の子に言い寄られて



女の子にいじめられる




それはもう何処にいても何をしてても



当たり前のように




だから、幼馴染の二人は


もう小さい頃からずっと側にいて、私のことを守ってくれていた



高校生にもなって一人で行動できないなんておかしいけど


私は、この二人がいないとダメなんだ





「そーいえばさっきもいなかったけど何してたの?」



突然唯ちゃんに話しかけられた



うーん、言っていいのかなぁ…


少し聖くんの目を気にしながら、私は言った



「…男の子がペン落としてたから、拾ってあげてたの」


「はぁー?!」



思った通り、聖くんの怒った声が響く


だからあんまり言いたくなかったのに




「お前ソイツに何かされたか?!」


ブンブンと首を横に大きく振る


「本当か?!」


聖くんに言い寄られて、次はコクコクと首を縦に大きく振る


「ったく、お前はー…」



そう言って、聖くんは頭をかいた




唯ちゃんもだけど、聖くんは特に私が一人になると心配して


怒ってくる




「男と二人とか…お前は何されるかわかんねーんだからな!」



「………」



「ま、何もなかったんだからいーじゃない。栞も、今度からは気をつけなね?」



唯ちゃんの言葉に頷く


唯ちゃんはこういうときいつも助けてくれて



でも、聖くんもあたしのこと心配してくれてるんだもんね





本当、二人には








感謝してる









< 3 / 26 >

この作品をシェア

pagetop