Polaris
「着替えて来なさい」


百合子ママは気付いて居るのか、何も聞かずにそう言う。


あたしはドレスから持って着た服に着替えて、リビングに向かった。


「聞きたいことがあって、帰ってきたんでしょ」


帰ってきた、、。


それはここがあたしの居場所だと言ってくれてるようだった。


あたしは、それに頷く。


「未来があの街に行くって言った時、止めてれば良かった」


百合子ママはあたしのことを真っ直ぐに見る。


「ひろ子に会ったんでしょ?」

「え?」


それはあたしが予想もしていない言葉だった。


母親もあの街にいるの?


「ひろ子に会ったから来たんじゃないの」


百合子ママは驚いた顔をする。

< 203 / 345 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop