Polaris
車で行くと、何時間もかかる何もない街。


ここは何も変わっていない。


あの時のまま、時間が止まって居るようだ。


タクシーは指定した場所で止まった。


ゆっくりと深い深呼吸をして、あたしはタクシーを下りた。


建物の中に入ると、あたしが会いたかった人が驚いた顔をする。


この街には不釣り合いなドレスなんか着て、高いヒールなんか履いている。


でも、今のあたしはそんなことすらどうでもいい。


「、、、未来」


そう、あたしのことを呼ぶ。


「、、、百合子ママ」


この人が、きっと全部を知っている。


でも、それを聞くと言うことはこの人を、、、百合子ママをまた傷つけてしまうかもしれない。


それでも、あたしは知らなきゃイケないと思う。

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