Polaris
なんだか自分がとても汚い人間に思えた。


だからそんな人間じゃないと思いたくなくて、ハナちゃんの面倒を見てるのかもしれない。


どっちにしろあたしは、良い人で居たいだけなんだ。


「未来さん」

「うん?」

「イベントの時の浴衣って、自前ですか?」

「お店のも何枚かあるけど、大体は自分で用意してる子が多いよ」


あたしも新しい浴衣を用意しなければ。


何枚かは持っているが、夏祭りは1週間も続く。


きっと夏祭りの間は全部出勤だから、毎回同じ浴衣って訳には行かない。


「ミライさん、明日お休みですよ?」

「そうだったっけ」


なんで自分よりハナちゃんの方が、あたしの休みを知っているのだろう。

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