Moonlit night
初めての恋
今日は三回忌。こんなに時間がたったんだね。あなたと出会えて幸せでした・・・・。 「柚月ー!起きなさい!今日から学校でしょ!?まったく。」 朝から母親の声が響く。あたしだって大学生。こんな風に言われなくてもちゃんと出来る歳だ。 「知ってるって!今日はちょっと帰り遅くなる!あ、あと朝ご飯いらない!いってきます!」 電車に遅れてしまいそうだったから急いで靴を履いた。その時、 「ねぇ?今日は・・・その・・・・」 お母さんが言葉を濁す。言いたいことはわかる。今日は瑛の三回忌。今日帰りが遅くなるのはそのためだ。 「いってきます!」 元気いっぱいに家を出た。お母さんの言葉の続きを口に出すべきだったのか駅に着くまでずっと考えていた。 ねぇ?瑛。あなたとの出会いも今日のような騒々しい朝の駅だったね。ずっと覚えてるよ。あなたと過ごしたあの暖かい時間は私にとって宝物で、かけがえのないものだったよ。 あれは私が高校生の時だった。夜遊びにハマってしまって親を心配させたりもした。いまとなってはその痛みや苦しみがよーくわかる、それをおしえてくれたのが瑛だった
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