ウソつきより愛をこめて

「わー寧々ちゃん可愛い!ママとおそろいだねぇ」

「えへへ。くるくる~」

「髪巻いてたら、せがまれちゃって…」

アイロンでゆるく巻いた髪を、寧々は自慢気に由子へ見せびらかしている。

恐らくマリカも同じことをしてやったことがあるのだろう。

寧々は私がアイロンをあてている間、終始ご機嫌でちゃんと大人しくしていた。

「そうしてると本当エリカにそっくりだね。将来は色んな男が寄ってきそうで心配だわ」

「ふふ」

寧々が褒められると、自分のことのように嬉しくなる。

ヤバイなー、自分でもこんなに溺愛しちゃうとは思わなかった。

寧々と離れたくない。

仕事に行きたくない。

寧々は泣かないでバイバイと手を振っているのに、私の方が泣きそうだった。

< 18 / 192 >

この作品をシェア

pagetop