アヤカシたちのお妃候補は人間の女の子でした



少し風が止み、目をちょっとだけ開ける。

すると、なんだかおかしなものが目に飛び込んで来た。

一人の少年と青年二人の姿。

……あれ。おかしいな。私、疲れてるのかな。

もう一度目を瞑って、また開いた。

……やっぱり、幻覚なんかじゃないっ!

三人の男たちは目を綴じていて私には気付いていないよう。

みんな、顔立ちが整っていてドキドキしてしまう。

一人はパーカーにジーンズと現代っ子らしい姿。茶色で顎くらいまでの長さの髪。やっぱり現代っ子だ。

年は私とあんまり変わらないかな……。

もう一人は平安時代の貴族みたいな服装して、黒く、艶のある髪を一つに束ねていて、なんか古い……。

平安チックだなあ。コスプレイヤー? とりあえず成人はしていそう。

そして三人目は……刀差して着物を着てる侍。侍がいる!

おそらく肩より少し長いくらいであろう黒髪を高い位置で束ねている。

年は高校生くらい? こっちもコスプレイヤーかな。

とりあえず、三人が目を開けるのを待とう。

ていうかここ二階だよ!? なんで人が入って来れるんだろう。

しかも、風と共に入ってくるなんて。


「わあ、これが人間か! 綺麗だなー」


少年が目を開けたのか、私の目の前に彼の顔がある。

金色の瞳にまじまじと見つめられ、胸が高鳴ってしまう。

というか、金色? おかしい。この世に生まれつき金色の瞳の人間なんて、私が思うにいない。

カラーコンタクトかなんか、かな……。


「おい、離れろ。友也」


友也と呼ばれた少年は、舌打ちをして私から離れていった。

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