アヤカシたちのお妃候補は人間の女の子でした
不思議な出会い
今日は温かい。
でも私の身体はいつも通りだるい。
だるい身体に鞭を打って窓を覆い隠しているカーテンを開けると、眩しい光が差し込んでくる。
それでもなにかだるかった。
窓を少しだけ開ければ、爽やかな風が部屋に吹いてくる。
私はこの風が好き。
だるい身体が、なんだかすっきりするような気がするから。
緩やかな風がストレートの髪をゆったりと揺らす。
この髪はお母さん譲りで、結構気に入っている。
なんたってヘアーサロンに行けば「キレイな髪ですね」って褒められるから。
褒められるのは嫌いじゃない。むしろ、褒めるより好き。
しばらく窓の外を眺めていると、この世のものとは思えない風が目に入った。
光り輝いていて、スピードがものすごく速い。
時速でいえば60㎞くらいだろうか。
何故かこちらに向かって来ている。
このこのまだと間違い無く私の部屋にぶち当たる。
怖くなって窓を急いで閉めた。
しかし、あと少しというところで風が入って来てしまった。
それはとてつもない勢いで、棚から物は落ちるしプリント類は舞ってるし……。
かなり迷惑。
次の瞬間、風が強い光を発した。
私は思わず目を瞑る。
その光は止むことがなく、しばらくの間目を開けることが出来なかった。