アヤカシたちのお妃候補は人間の女の子でした

不思議な出会い

 



今日は温かい。

でも私の身体はいつも通りだるい。

だるい身体に鞭を打って窓を覆い隠しているカーテンを開けると、眩しい光が差し込んでくる。

それでもなにかだるかった。

窓を少しだけ開ければ、爽やかな風が部屋に吹いてくる。

私はこの風が好き。

だるい身体が、なんだかすっきりするような気がするから。

緩やかな風がストレートの髪をゆったりと揺らす。

この髪はお母さん譲りで、結構気に入っている。

なんたってヘアーサロンに行けば「キレイな髪ですね」って褒められるから。

褒められるのは嫌いじゃない。むしろ、褒めるより好き。

しばらく窓の外を眺めていると、この世のものとは思えない風が目に入った。

光り輝いていて、スピードがものすごく速い。

時速でいえば60㎞くらいだろうか。

何故かこちらに向かって来ている。

このこのまだと間違い無く私の部屋にぶち当たる。

怖くなって窓を急いで閉めた。

しかし、あと少しというところで風が入って来てしまった。

それはとてつもない勢いで、棚から物は落ちるしプリント類は舞ってるし……。

かなり迷惑。

次の瞬間、風が強い光を発した。

私は思わず目を瞑る。

その光は止むことがなく、しばらくの間目を開けることが出来なかった。





< 2 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop