その他
完

- 作品番号
- 977961
- 最終更新
- 2014/01/09
- 総文字数
- 4,942
- ページ数
- 4ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 414
- いいね数
- 0
フライパンに卵の殻を当てる。そうして、罅の入った表面を見つめる。妙な気分がして、私は唇を結んだ。いざ、となってわずかに緊張しているのが分かる。けれど、それを態度に出してはならなかった。理由はない。あえて述べるとすれば、可能性を信じているなんて馬鹿らしい、と未来の自分に罵られないためだ。
指先に力を入れる。これほどまでに固い卵の殻があっただろうか。ぐ、と指で押す。しかし、殻は存外あっけなく割れた。ぼとり、と何かがフライパンの上に落ちる。
卵だった。
私は溜め息を吐く。それと同時に安堵する。今日の晩御飯は矢張り、オムレツにしよう。
-特別御礼-
楪 小鳥様
mira!様
蒼井深可様
タマム様
高山様
この作品のレビュー
男が考える卵とは? 時に常識は常識では無くて時に当たり前は当たり前では無くて… 緻密で高い文章力で書かれた短編。 なんとも不思議な気分になる作品です。
男が考える卵とは?
時に常識は常識では無くて時に当たり前は当たり前では無くて…
緻密で高い文章力で書かれた短編。
なんとも不思議な気分になる作品です。
大人の為のファンタジー。
絶対に知られることのない安心感は
卵です。
気が触れてもおかしくない筈なのに、正気を保てたのは卵だからです。
鋭い着眼点で、読んでいて心地よさを感じました。
それは現か幻かーーー
個人的に主人公の『私』が
やはり卵は卵と行き着いた事にとても
好感を抱きました。
卵を割って美女が出てきたら
やはり、困るのです。
全体的に『私』に否定的な流れなのに
ラストその『私』に
希望の様なものを感じました。
良かったです。
素敵なクリスマスイブの朝を
迎えることが出来ました。
ありがとうございます。
この作品の感想ノート
yu_ra様
あけましておめでとうございます。返事が遅れてしまって申し訳ないです。まあ、今年もゆるゆるとがんばってまいりましょう。
しかし、yu_ra様は鋭いというかなんというか。この物語のテーマは偏見や決めつけであります。たとえば、息子の友人らしき金髪の青年に“私”は好感を抱いておりません。親切にお茶をいれたって、どれだけ丁寧に資料をまとめたって、それは部下としての当然の仕事です。妻は料理や洗濯をしても感謝されず、息子は息子でしかないのです。
文章を好まれるだなんて、そんな。年明け早々、わたくし嬉しくッて飛び跳ねてしまいそうです。yu_ra様の文章の方が、生きていて素敵ですよ。羨ましいです。独特の世界観があって。
こんばんは。
「そうか、卵は卵だったのか」
なんとも心地の良い硬さのあるお話でした。
私は頭が良くないので難しいことは何も言えないのですが、感覚として感じることの出来る部分で、「よいなあ」と思いました。
卵の殻の中が宇宙でもいいなあ。見えないものを想像する時に邪魔するのはいつも、常識とは名ばかりの偏見なのかしらなんて。でもまあ想像が正しく出来なければ生きていくことは大変な苦労になってしまうわけですけれど。
卵の殻は硬いのに、頭はなんだかふにゃっとなるような。そんな素敵なお話でした。
よくわからないことをずらずらと述べましてすみません。毎度毎度上手くまとめられず申し訳ない。
兎にも角にも、よかったです。あなた様の文章がやっぱり好きです。
ではでは、また。
良いお年を…
楪 小鳥様
お高い風邪、とな。ついつい笑ってしまいました。インフルエンザ級に厄介で我が儘なお嬢様なのでしょうね。ふは。くれぐれも体調にはお気をつけて。
あー、卵といえば。私の場合で思い出深いのはDr. SeusのGreen Eggs & Hamという絵本です。緑色の卵とハムを薦め続ける「サムアイアム」のおはなし。なにがいいって、そのテンポですね。
行事のイースターエッグも懐かしいです。中に入ったお菓子やアクセサリーを楽しみに、幼少期は庭や家中を駆け回りました。それ故に、私にとって卵は遊び道具のひとつでもあります。
でも結局は“私”よりの感性を持っていなきゃ、生きていけませんよ。卵は宇宙かもしれない、なんて考え出す人は、宇宙だって昆虫かもしれない、という風に考え出さなきゃならなくなりますからね。
まあ、なんやかんやで、好きだと言われてしまうと満足してしまいますわたくし。嬉しいですな。ありがとうございます。
素敵なレビューにドキガムネムネしました。最後のワンフレーズに、全てを持って行かれましたね。ふぁー。
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