可愛い彼にはご注意を!




「何、皆して俺をのけ者にしてるの?」




ぎゅーと強く抱きしめられて私は誰が抱きしめているのかすぐに分かった。




「れ、蓮!離してください!!」




こんなところを他の社員にでも見られたら私はもう会社には来れない。




「どうして?奥さんを抱きしめたらいけないの?」




耳元で囁かれてくすぐったいったらない。


本当にこの人は人前でよくこんなことができるなぁとある意味関心してしまう。




「あー、また社長ったら柚亜を自分だけのものにして!」

「自分だけって・・・もう、柚亜は俺のものだからね?」




クスクスと笑いながら言う蓮に私の顔はもう真っ赤。


その様子を見て篠田さんは苦笑しながら私と蓮の間に入った。




「社長、愛しい奥様をいじめたくなる気持ちも分かりますが・・・仕事に戻りましょう。」

「えー、もう少しだけ・・・ね?」

「可愛く首を傾げたって無理なものは無理です。」




篠田さんの言葉に蓮はため息をつきながら私から離れた。


でも、離れるときに私にしか聞こえない小さな声で・・・・・・。




「今度は俺とデートに行こうね、柚亜。」




その小さな囁きで私は爆発したような音を立てて顔を真っ赤に染めたのだった。




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