可愛い彼にはご注意を!




「れ、蓮のことは好きとか嫌いとかじゃなくてただ無理やり結婚させられただけですから!!」


恥ずかしいのか真っ赤な顔をした柚亜は感情が高ぶったのか大声で言った。

それに対して莉那は何だというような冷めた目で見ていた。



「なら、私が蓮をとってもあなたには関係ないよね?」

「ど、どうぞ…ご自由に!」

「ということでお許しも出たし…蓮、今日は莉那と寝よう!」



そう言うや否や莉那は俺の裾を引っ張り甘えるような声を出してきた。


いくら小さい頃からの付き合いとはいえ、莉那ももう大人として見てもいいとは思う。


俺にとっては子供と同じ扱いだけど…一応、いい歳した男女が一緒に寝るのはどうかと思った。



そんなことを考えていて莉那を困った顔で見ていると莉那が俺にしか聞こえない声で言ってきた。



「蓮、これはチャンスよ。
この女にヤキモチ妬かせるチャンスだと思って私と一緒にいたらどう?」



男を誘惑するような声と顔をして言う莉那。


俺に負けず劣らずの腹黒さは認めるしかない。


普段、俺からばかりの一方通行の思い。

それは悲しい思いでしかない。


俺はクスッと笑って莉那に囁いた。



「その手段、いいね♪」



柚亜、たまにはこういうのもいいよね?




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