可愛い彼にはご注意を!




「大丈夫だよ。きちんと慣らしてからしたから・・・。
でも、朝は辛かったみたいだけど。」

「それは、大丈夫とは言いません。
女の人は大切に扱うべきだと昔から教えられていたはずです。」

「篠田は考えが固いんだよ。」

「一般常識を言っているんです。」




眼鏡の奥の目がギロリと俺を睨んでくる。


怖いったら無い・・・。





「でも、柚亜に今回のことはお互い忘れましょうって言われたんだよね。
それに、俺の名前とか顔も知らないみたいだし・・・。」

「それはそうでしょう。彼女の情報を集めましたが・・・そもそも彼女は恋愛はあまり得意ではないようです。
そして、先ほど社長が言った様に処女ということは当然免疫もありません。
さらに、彼女は噂などあまり気にしないようですし・・・猪突猛進タイプなので、目の前のことが精一杯で周りがあまり見えていません。
ということは彼女にとって社長は眼中に全く入っていない・・・ということです。」




何がということです・・・だ。


好きな人に視界にも入れられていない男の苦しさは篠田には分からないだろう・・・。




「それを踏まえて今度はプロポーズするよ。」

「さっさと玉砕してほしいところです。」




篠田の溜め息と共に俺は再び仕事に取り掛かった。


視界に入れた獲物は絶対に逃がさないから覚悟しててね、柚亜・・・。





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