可愛い彼にはご注意を!
「蓮は可愛い雰囲気を出しているけど、野獣よ。
だから、抑えきれなくなった理性で柚亜ちゃんがどんな目に合ったのか本当に心配で心配で・・・。」
「だ、大丈夫ですよ!
その・・・・・・私、その時のことを全く覚えていないんです。」
「覚えていない?」
「はい、目が覚めたら蓮がいて・・・よく分からないままホテルから飛び出して仕事場に行ったんです。」
それに今時、処女を守り抜く女なんて重いだけだし・・・。
これはいい機会だったのかもしれない。
「でも、出会いは最悪だったけど・・・私は柚亜ちゃんに蓮のお嫁さんになってもらいたいわ。」
「どうしてですか?」
他に蓮に似合う女性なんてたくさんいる。
私なんかでなくたって構わないはず・・・・・・。
「柚亜ちゃんはね・・・蓮が初めて好きになった相手なのよ。」
里佳子さんの言葉に私はビックリした。
初めて好きになった相手?
「蓮はあの容姿だからそれなりにモテるの。
でも、誰とも真剣に付き合った様子なんてなかったわ。
それがいきなり、結婚するって知らせを聞いた時はどうせその場しのぎの相手だと思っていたけど、今日の蓮と柚亜ちゃんを見て本当に蓮は柚亜ちゃんを愛しているのね・・・。
時期が来て蓮に誰も相手がいなかったらどこかのお嬢様と婚約させるつもりだったのだけど・・・いらないお世話だったわね。」
クスッと笑ってからかうように言う里佳子さん。