ring ring ring
 「おれも初めて来たときはびっくりしました。ちなみに抹茶頼むと、和菓子がついてきますよ」
 「いったいここは、どういう部類のお店なの」
 「部類?さあー……カフェバー……?昼間は立ち席がなくて、中央にもテーブルとイスが並んでるみたいですよ。ランチうまいって評判らしいっす。おれは夜しか来たことないけど、最初に連れてきてくれた友達が言ってました」
 昼間はカフェで、夜はバーという位置づけだろうか。でも、バーというジャンルにまとめてしまうには惜しい品ぞろえだ。
 「高林くんが持ってるのはフードメニューなの」
 「そうです。見ます?」
 手渡され、開くと、やはりそこにもドリンクにも負けず劣らずの多国籍な料理名が並んでいた。聞けば1品あたりの量はそれほど多くないらしく、どれもリーズナブルで、いろんな味を楽しみたいときにうってつけだ。
 「すっごいね。こんなお店があるならもっと早く知りたかった」
 「フードは夜はつまみ程度と甘いもんだけですけど、昼間はもっとすごいらしいです」
 「つまみ程度?これで?」
 それなら、ランチなんてどんなことになっているのか、ますます気になる。どんな気分のときでも、絶対に「これ!」と思えるメニューに出会えること間違いなしだろう。
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