ring ring ring
「ここです」
入ったのはカフェのような店で、同年代の人々で賑わっていた。店内にはジャズが流れていて、どこか異国情緒漂う雰囲気を醸し出している。見渡す限りでは、壁沿いにソファ席があり、中央には胸の高さほどの丸テーブルがいくつかあって、その周囲をそれぞれのグループが囲んでいた。立ち飲み席のようだ。
「テーブル席はチャージ取られるんで、立ちのほうが人気なんですよ。おれは疲れるからいつも座っちゃうんですけどね」
高林くんは慣れた様子で空席を見つけて座る。わたしも向かい側に腰を下ろした。ほどよく人の体に馴染んだ、座り心地のよいソファだった。
テーブルサイドにあったメニューを開くと、あまりの種類の多さにわたしは驚いた。てっきりフードもドリンクも載っているものと思っていたそのメニューはドリンク専用のもので、めくってもめくってもびっしりと文字で埋め尽くされている。ワイン、日本酒、焼酎、カクテル。誰でも知っているメジャーな銘柄から、さっぱり想像もできないネーミングのものまで、何でもある。アルコール以外でも、コーヒーや紅茶の種類も豊富で、中でも驚いたのは、日本茶や中国茶までが置いてあることだった。
「緑茶、玄米茶、ほうじ茶……お抹茶まで……」
メニューを見ながらぶつぶつ言っているわたしを見て、高林くんはおかしそうに笑っている。
入ったのはカフェのような店で、同年代の人々で賑わっていた。店内にはジャズが流れていて、どこか異国情緒漂う雰囲気を醸し出している。見渡す限りでは、壁沿いにソファ席があり、中央には胸の高さほどの丸テーブルがいくつかあって、その周囲をそれぞれのグループが囲んでいた。立ち飲み席のようだ。
「テーブル席はチャージ取られるんで、立ちのほうが人気なんですよ。おれは疲れるからいつも座っちゃうんですけどね」
高林くんは慣れた様子で空席を見つけて座る。わたしも向かい側に腰を下ろした。ほどよく人の体に馴染んだ、座り心地のよいソファだった。
テーブルサイドにあったメニューを開くと、あまりの種類の多さにわたしは驚いた。てっきりフードもドリンクも載っているものと思っていたそのメニューはドリンク専用のもので、めくってもめくってもびっしりと文字で埋め尽くされている。ワイン、日本酒、焼酎、カクテル。誰でも知っているメジャーな銘柄から、さっぱり想像もできないネーミングのものまで、何でもある。アルコール以外でも、コーヒーや紅茶の種類も豊富で、中でも驚いたのは、日本茶や中国茶までが置いてあることだった。
「緑茶、玄米茶、ほうじ茶……お抹茶まで……」
メニューを見ながらぶつぶつ言っているわたしを見て、高林くんはおかしそうに笑っている。