ring ring ring
 わたしたちもそろそろ行こうか、と言おうとしたのと同じタイミングで、由紀が口を開いた。
 「美波、さっきの話だけどさ」
 「ん?」
 「わたし、美波には誰よりも幸せになってほしい。高林くんのこと、ずいぶん年下だからって引け目を感じて踏み出せないのかもしれないけど、高林くんと同い年のはるかちゃんとこんなに仲良くやれるんだもの、何の心配もないと思うよ」
 「……うん」
 「高林くんってけっこうアホだから、美波が動かないとずっとこのままかもって思うの。年齢差とか、告白は男から、とか、そういうことに縛られてちゃダメだよ。ふたりの問題なんだから、自分たちで動かなくちゃ」
 「アホだから、ね」
 わたしはちょっと笑った。そして、この間自分が忠信さんに言ったことを思い出した。
 『恋愛には無限の可能性がある。でもその扉は自分で開かなければ、誰も開いてくれないよ』
 同じことを、そっくりそのまま由紀に言われたのだ。人には言えるのに、それを自分にあてはめて考えられないところ、わたしもアホだ。
 「ありがとう、由紀」
 そして、はるかちゃん。
 わたし、一歩踏み出してみる。
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