トナカイ×トナカイ~いちごのケーキ~
さくさくと雪をかき分けてみる。

「つめたいなー…あっ、みっけ!」

てのひらで、苺はつやつやとしていた。

その上に雪が降りてきて、いちだんと赤くなったようだった。

「赤くてきれい。

雪に埋もれてたのに凍ってないなんてすごいね。」

和が感動して言った。


なんだか掌がくすぐったかった。

いま、自分の手に大事なものが乗っかっている。

優樹も熱心に観察している。

「ヘタが6枚だ。

普通の苺って5枚だよな?」

さすが優樹、よく気付いたねとサンタが説明した。

「ここでは花びらも6枚じゃよ。

雪を待ちこがれるように秋に咲くんじゃ。」

「平たく言うと、

ここのいちごが食えるようになるのは冬なんだ。

食ってみなよ。」

「え? 自分ですか?」

また話をふられた。

本当は食べてみたかったので、

ここはお言葉に甘えることにする。

「じゃあ……」
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