その結婚、取扱い注意!
最近、湊から容姿で褒められることもなかったから、面と向かって真面目な顔で言われると恥ずかしい。

「照れるミミも、心配かけるミミも、どんなミミでも愛している。お前が俺の奥さんで幸せだよ」
「湊……私も湊と結婚して幸せ……大好き」
「は? 大好き? 愛しているじゃないのか?」

湊は大きくため息を吐く。

「もちろん愛してるよ。湊よりずっとずっと愛しているんだから」
「そうか? 俺の愛の方が重いぞ」
「もう……」

子供みたいな自分たちに私はクスッと笑う。
湊が軽く私を抱きしめる。

「時間だな」

湊は私の手を持ち上げると、自分の腕に置いた。

バージンロードを一緒に歩くのはお父さんではなくて湊。
結婚して2年以上もの歳月が経っているのだからと決めたことだった。

チャペルの扉の両脇にはブラックスーツを着た男性が立っており、私たちは扉の前へ進む。

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