恋が運ばれて
バルコニーには、あの時のまま、彼の装備が置きっぱなしだった。

私は待ち続けた。

5ヶ月経った。

真冬だったのが、もう初夏だ。

季節が変わるって意地悪だと思った。

自分の想いはあの時のままなのに

時間ばかりが過ぎていき

窓の外の世界も次々に進んでいってしまう。

残される想いって、彼のお母様が一番よく知っていらっしゃることだろう。

彼にも亡くなられたお父様の血が流れている。

好きな事しかやれない人間だと思った。

私の中は揺れていた。

もし彼と愛し合うようになっても、後悔だけはしたくない。

何かで自分が傷つくことも覚悟できるほど

私は彼を想っているのかしら?

まだわからなかった。

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