冷たい上司の秘密の誘惑
「美穂は、オレの傍にいろ。

・・・あんな奴、オレは寄せ付けないから。

何なら、アイツの上司に頼んで、左遷してもいいぞ」


「…そこまでしなくていいです。

篠田部長が、傍にいてくれるんでしょう?」


「当たり前だ」


「だったら大丈夫ですよ・・・」

私の言葉に、篠田部長は溜息をついた。

…私の考えている事は、お見通しだと言わんばかりの顔で。


…それからは、篠田部長は、

色んな理由を付けては、一緒に仕事をしてくれて、

片時も、私の傍を離れなかった。


「篠田部長と一緒にいられていいな」
「私も、美穂ちゃんになりたい」

先輩たちは、口々に言っていた。

私は、笑ってごまかすのが精いっぱい。


・・・そんなある日、廊下で、三浦さんとすれ違った。

私は、手を握りしめていた。

その手は、汗を一杯かいていた。

「・・・今日も、可愛い」

その言葉に、全身鳥肌が立った。

…気持ち悪い。…私の顔は、みるみる青くなる。
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