冷たい上司の秘密の誘惑
「久保」

「・・・」

そんな私を呼んだのは、私を守ってくれる人だった。


篠田部長は、三浦さんと私の間に割って入り、

三浦さんから私を遠ざけた。


「・・・コイツに近寄るな」

「・・・」

篠田部長の低い声に、三浦さんは何も答えられなかったようだった。

・・・大丈夫。…私には篠田部長がいるから。

そう思う事で、何とか心を落ち着かせた。


…夜。オフィスの中には、私と篠田部長の二人になっていた。


「篠田部長」

「・・・ん?」


「私の事なんて放っておいていいんですよ」

「・・・」

私の言葉に、目を見開いた篠田部長。


「篠田部長の重荷になってるような気がして、

申し訳なくて・・・」


「オレは、美穂が好きだよ、いや愛してる。

…美穂は、オレの事どう思ってる?」

…私は、篠田部長が、好き。


「好きか、嫌いか?」


「…好き、ですよ・・・どうしようもないくらい」

目も合わせずに呟く。

篠田部長がクスッと笑ったのは、聞こえたけれど。
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