冷たい上司の秘密の誘惑
「そろそろ、借りを返してもらいたいんだが?」

「…借り、ですか?」


「おぶって帰ってやった借り」

「…ぁ」

…思い出してしまった。

私はすっかり忘れていたのに、篠田部長は、何も忘れていなかった。


「な、何をすれば、いいんですか?」

冷や汗をかきながら、篠田部長を見つめる。

…すると、あの不敵な笑みを見せた。


「オレの家で、一杯付き合え」

「…オレの家」


「明日は休みだ、心置きなく飲めるだろ?」

「・・・はぁ」

…この人は、私がお酒が弱い事を知ってるはず。

それなのに、私に付き合えと言う。


…しかも、篠田部長の自宅で。

ま、まさか、私を襲う気じゃ?


更に謎は深まる。

それと同時に、不安も押し寄せた。


「でも、やっぱり、帰ります」

「…却下」

「なっ?!」

私は腕を掴まれ、抵抗しても離してくれず、

強制的に自宅へと連れて行かれてしまった。
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