冷たい上司の秘密の誘惑
「部長、いつもすみません」

「・・・何が?」


「残業に付き合わせてしまって」

申し訳なくて、そう言ったのに、篠田部長は、


「別に付き合ってるわけじゃない。オレも山のように仕事があるからな。

お前はそのついでだ」

「・・・ついでですか」


「当たり前だ、ほら帰り支度しろよ」

「ぁ、そうですね」

・・・そうか、ついでか。そうよね、篠田部長は忙しい人だもの。

私なんかの残業に付き合ってくれるわけない、か。


…帰り支度を済ませた私と篠田部長。

「お疲れ様でした」

「あぁ、お疲れ」

互いに挨拶をし、私は自宅に向かって歩き出す。


「そっちじゃないだろ?」

「・・・はい?」

突然の言葉に、首を傾げる。私の自宅はこっちだ。


「早いなぁ…もう今日は週末、だよな?」

「・・・そうですね?」

…一体、何が言いたいのだ?

謎は深まるばかり。
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