冷たい上司の秘密の誘惑
そう思っているはずなのに、心が悲鳴を上げる。

私にどうしろと言うのか?


…今日も、一人、残業をしている。

「あれ、まだ仕事してたのか?」

その低い声に、ドキッとする。

…ゆっくりと振り返ると、


「・・・三谷先輩、まだいたんですか?」

そこには外回りから帰ってきた三谷先輩が立っていた。


「外回りから帰ってきたんだよ・・・

書類を提出してから帰ろうと思ってね・・・」

そう言った三谷先輩は、突然私に近づいてきた。


・・・ビクッ。


突然、私の首に、三谷先輩の指が触れた。

私は咄嗟に一歩、後退する・・・

「な、なんですか?」

「・・・ずっと、気になってたんだけどさ」

「・・・」


「これ、誰に付けられた?」

「・・・こ、これは」

私はすぐに何のことだかわかると、サッとそれを隠した。


「ファンデーションで隠してるんだろうけどさ、

オレにはバレバレ」

ちゃんと隠しているつもりだった。
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