冷たい上司の秘密の誘惑
「ちょっと、何でこんな事になってるの?」

私の横に来て、美幸がアタフタしている。


「そんな事、私に聞かれても知らないよ~。

私、平社員なわけだし…美幸の方が、知ってるんじゃない?

如月部長、じゃなかった、如月常務がいるんだから」

溜息交じりにボソッと呟く。


・・・だってそうでしょ?

私と篠田部長は、もう、何の関係もないんだから。



「だって、まさか本社からの人が、あの人なんて知らなかった。

如月君、何にも教えてくれないんだもん・・・

どうする?…今夜の紹介の話し、一旦延ばす?」

そう言って私をうかがう美幸。


「・・・なんで、延ばすの?私とあの人は、

もう無関係なんだし・・・紹介してくれたらいいじゃない。

誰よ、新しい恋しろって言ったの?」

キーボードを打つのを止めて、美幸を見つめる。


…う゛。

私に見られて、美幸は眉間にしわを寄せた。


「そうよね、そうよ。新しい恋が一番よ。

じゃあ、予定続行で、仕事が終わったら、会おう」

そう言って気を取り直して美幸は、デスクに戻って仕事を始めた。
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